大型台風が沖縄へ接近し、国内線では欠航が相次いだあの日…
関西空港の国際線はいつもと変わらない雰囲気でしたが、フライトマップを見ると、私が確認した範囲では多くの航空機が台風を避けるように台湾西側へ迂回していました。
「今回は大きく遠回りになるだろう。」
「到着も遅れるかもしれない。」
そんなことを考えながら搭乗したシンガポール航空B787-10。
ところが、このフライトは私にとって、これまでで最も印象に残るフライトの一つになりました。
沖縄方面へ向かう国内線や台湾方面に向かう国際線が欠航のなか

関西空港へ向かう前から、大型台風のニュースが連日報じられていました。
沖縄方面へ向かう国内線や台湾方面に向かう国際線では欠航が相次ぎ、空港全体が台風の影響を受けています。
そんな中、私が驚いたのは国際線ターミナルの制限エリア内の出発ロビーでした。
出発ロビーはいつもと変わらない雰囲気で、多くの国際線が通常どおり搭乗を開始しています。
「本当に飛ぶんだ……。」

少し安心した一方で、フライトマップを見ると、私が確認した範囲では多くの航空機が大型台風を避けるように台湾西側へ迂回していました。
「今回も大きく遠回りになるはず。大きく迂回しても、正直、台風は怖いな…」
それでも搭乗機がシンガポール航空のボーイング787-10だったことで、「きっと大丈夫」という安心感がありました。
大型機ということもあって、小型機より少し落ち着いた気持ちで搭乗しました。
沖縄までは順調。でも、その先で予想外の展開に
離陸後しばらくは大きな揺れもなく、フライトは順調でした。
「思っていたより普通だな。」
そんな気持ちで窓の外を眺めながら過ごし、沖縄付近までは安心していました。
ところが、その安心は長くは続きませんでした。
沖縄を過ぎると、機体は少しずつ揺れ始めます。
そして、そのタイミングで予想外のことが起こりました。

客室乗務員による機内食のサービスが始まったのです。
「この状況で機内食?」
正直、とても驚きました。
しかし、その直後に揺れがさらに強くなり、客室乗務員には一時的に着席するよう指示が出されます。
「やっぱり、ここから本格的に揺れるんだ……。」
私は大きな揺れを覚悟しました。
それでも、しばらくすると客室乗務員は再び立ち上がり、機内食のサービスを再開します。

揺れのためサービスは2度中断しましたが、安全を最優先にしながら落ち着いて対応する姿は、とても印象的でした。サービスが始まったことにより、大丈夫なんだと安心しました。
フライトマップを見て驚いた
機内食をいただきながら、私は何度も機内モニターのフライトマップを確認していました。
画面を見るたびに、えっ?
「飛行機が台風に近づいているように見える……。」
そんな思いが頭をよぎります。
それでも、不思議なことに機体は想像していたほど大きくは揺れません。
「この状況で、こんなに安定して飛べるなんて本当にすごい。」
そう思いながら、今度はスマートフォンでフライトレーダー24を開きました。
すると、さらに驚く光景が目に飛び込んできます。

私が確認した範囲では、台湾東側を飛行してたのは、私が搭乗している便だけでした。
ほかの航空機は、台風を避けるように台湾西側を飛行しているように見えました。
以前、飛行機は前方を飛ぶ航空機の情報なども参考にしながら、安全な運航を行うことがあると聞いたことがありました。
そのため、「前を飛ぶ飛行機が見当たらないけど、本当に大丈夫なのかな……。」
そんな不安でいっぱいになったのを鮮明に覚えています。
窓の外を見て感じた飛行機のすごさ

不安な気持ちで、ふと窓の外へ目を向けました。
機体は揺れているものの、翼は私が想像していたほど大きくたわんでいるようには見えませんでした。
「飛行機って、本当にすごい!」そんな言葉が自然と頭に浮かびます。
これだけ揺れているのに、機体は安定して飛び続けている。
改めて、旅客機の技術は大きく進歩していて、さまざまな状況を想定して設計されていること、そして、その性能を最大限に生かして安全に運航するパイロットや航空会社の技術の高さを実感しました。
その後、客室乗務員の皆さんも安全を確認しながら機内サービスを再開し、その落ち着いた様子を見ているうちに、私の緊張も少しずつ和らいでいきました。
フィリピン上空で感じた本当の安心感
約1時間続いた揺れも、フィリピン上空へ入る頃には少しずつ落ち着いてきました。
機内にはいつもの穏やかな空気が戻り、ドリンクやスナックのサービスも始まります。
その瞬間、ようやく肩の力が抜けました。

「本当に乗り切ったんだ。」
そんな安心感とともに、私の頭に浮かんだのは、シンガポール航空のパイロットの皆さんへの感謝でした。
乗客には見えないところで、安全なルートを判断しながら飛行してくれたプロフェッショナルの技術。
「シンガポール航空のパイロットさん、本当にすごい。」
自然とそんな言葉が心に浮かびました。

その後は緊張もすっかり解け、シンガポールのタイガービアを何度かおかわりしながら、残りのフライトを満喫しました。
無事にシンガポールへ到着

そして、シンガポール・チャンギ国際空港へ到着。
大きな遅れを覚悟していましたが、到着したのは定刻どおり、いや、それどころか予定より少し早い到着でした。
その瞬間、機内には自然と拍手が沸き起こりました。
最近では、着陸後に機内で拍手が起こる光景を見る機会は少なくなりました。
だからこそ、この拍手には乗客一人ひとりの安堵と感謝の気持ちが込められていたように感じます。
私も心の中で、
「シンガポール航空パイロットを始めとした乗務員の皆さん、本当にありがとうございました!」
とつぶやいていました。
なぜシンガポール航空は台湾東側ルートを選んだのか?
今回のフライトを振り返って、一番気になったのが「なぜシンガポール航空は台湾東側ルートを選んだのか」ということでした。
私が確認した範囲では、多くの航空機が台湾西側を飛行しているように見えた一方で、私が搭乗したシンガポール航空便は台湾東側を飛行していました。
一般的に航空会社は、機内の気象レーダーや航空管制からの情報、運航管理チーム(ディスパッチャー)が収集した最新の気象情報、上空の風向きや乱気流の状況など、さまざまな情報を総合的に判断し、その時点で最も安全と考えられるルートを選択して運航しています。
乗客の私からは不安に見えた航路も、実際には数多くの情報をもとに、安全を最優先として導き出された判断だったのだと思います。
今回のフライトを通じて、改めて航空会社の運航チームやパイロット、そして客室乗務員の皆さんの高い技術とチームワークの素晴らしさを実感しました。
この記事を読んでいただき、ありがとうございます
今回のフライトは、これからも心に残り続ける忘れられない思い出となりました。
この記事が、台風接近時の飛行機の安全運航について少しでも知るきっかけになれば嬉しいです。
このブログは、みらいとひよりが実体験をもとに共同で作成しています。
実際に搭乗して感じたこと、現地で体験したことを大切にしながら、飛行機の乗り心地やおすすめ座席、空港での体験、旅先の魅力を分かりやすくお届けしています。
これからも「実際に乗ったからこそ分かる情報」を大切に発信していきます。
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