⛩️ 伊勢神宮のはじまりをたどるように
伊勢神宮といえば、「内宮」と「外宮」のふたつの御正宮があることで知られていますよね。
今回訪れた“元伊勢”にも、実は同じように、内宮・外宮にあたるふたつの神社があるんです。
前回ご紹介した【皇大神社】が“内宮”なら、
今回ご紹介するのは“外宮”にあたる【豊受大神社(とようけおおかみのやしろ)】。
どちらも、伊勢へと御遷座される前に鎮まっていた、いわば“神様が最初に選ばれた場所”。
この日、私はその両方を一度に巡ってきました。
伊勢の始まりに触れるような、そんな静かな旅の記録を、今回もお届けします⛩️
🕊 元伊勢豊受大神社の由緒と御祭神

伊勢神宮の外宮として知られる【豊受大神宮】(外宮)。
その御祭神である豊受大神(とようけのおおかみ)が、伊勢に鎮座される以前に祀られていたのが、
この【元伊勢 外宮 豊受大神社】です。
伝承によれば、第10代・崇神天皇の御代に、天照大御神が「一人では心細い」と仰せになったことから、
衣食住を司る神である豊受大神を丹波国(現在の京都府北部)に迎えたのがはじまりとされています。
その後、垂仁天皇の時代に天照大御神と共に伊勢へと遷されましたが、
この地には今なお、その“最初の鎮座地”としての神聖さが残されているのです。
豊受大神は、五穀豊穣、衣食住の守護、生活の安定など、
私たちの暮らしを根本から支えてくださる神さまとして、広く信仰されています。
🍚 豊受大神社のご利益と、参拝をおすすめしたい人
豊受大神は、衣・食・住すべてを司る神さま。
そのご利益はとても身近で、でもとてもありがたいものです。
🌾 五穀豊穣・農業の安定を願う方
💼 仕事運・商売繁盛を祈りたい方
🏡 家庭の平和や衣食住の安定を願う方
🙏 心の豊かさや生活に感謝を持ちたいと感じている方
🍳 **食に関わるお仕事(飲食店・調理師など)**の方にも、とくに縁が深いといわれています
「派手なお願い事じゃないけれど、“日々を心地よく過ごせること”がなにより大切」
そんな風に感じている人にこそ、ぜひ訪れていただきたい神社です。
⛰️ まずは石段をのぼって

神社の入口に立つと、まっすぐに空へ向かうように伸びた長い石段が出迎えてくれます。
他の神社のように鳥居で区切られるのではなく、いきなりこの石段が始まるというのも印象的。
その石段をひとつひとつ踏みしめながらのぼっていくと、 背中を押されるような心地よさと、期待感が少しずつ高まってきます。

そして、のぼりきって振り返ると、その先に待っているのは、視界がふっと開けるような絶景。 眼下に広がる緑と、どこまでも澄んだ空気が、心の奥にまで届いてくるようです。
💧 手水舎で清める、心と体──龍の彫刻に見守られながら

石段を登りきると、右手にひっそりとたたずむ手水舎が見えてきます。
杉の木立に囲まれ、自然と調和したその佇まいに、まず心が落ち着きます。
屋根の下には、今にも動き出しそうな見事な龍の彫刻が施されていて、
鱗や爪の細かな造形からは、この場所に込められた長い祈りの時間を感じ取れました。
龍の口から流れ出す澄んだ水に手を差し出すと、
ひんやりとした感触とともに、心の奥まですっと清められていくような気がします。
“ここから先は、祈りの空間”——
そんな静かなメッセージが、やさしく伝わってくる場所でした。
⛩️ 木の鳥居をくぐると、空気が変わる


続いて現れるのが、味わいのある木の鳥居。
くぐった瞬間、風の音が変わり、木々のざわめきが遠ざかり、 自分の足音だけが静かに響いてくる。
空気が張り詰めているわけではないのに、 この先が“ただならぬ神聖な場所”だと自然に感じ取れます。
「ここまで、やっとこれた!」
そんな気持ちが、心の奥からじんわりと湧いてくる。
どこまでも“包み込むような神聖さ”を感じる空気が、ここにはありました。
☀️ 明るく開けた本殿まわり——ここで深呼吸を

木の鳥居をくぐって広がる空間の先には、
ひときわ落ち着いた佇まいの本殿が静かに構えています。
石畳を進んだ先に佇む本殿は、厳かさの中にも親しみがあり、
あたりにはやわらかな、ぬくもりが静かに広がっていました。
左右には摂社も並び、全体として伊勢神宮・外宮の姿を思わせるような整った構成。
それでいて、ここには“伊勢”とはまた違う、包容力のようなやさしさが漂っていました。
本殿の周囲には木漏れ日がやわらかく差し込み、
足元の石畳には鳥の影がふわりと落ちて、風がやさしく吹き抜けていきます。
そのまま本殿の前に進み、静かに手を合わせました。
一礼して、深く息を吸い込んで、目を閉じる。
日々の暮らしを支えてくれるすべてのことに「ありがとう」と伝えたくなって、
そしてこれからの一歩を「どうか見守っていてください」と願いました。
「大丈夫、ここからまた進めるよ」
そんなふうに、やさしく背中を押してくれるような空間でした。
そして何より——
ここには、目には見えないけれど、たしかに“力”があると感じました。
穏やかで静かな場所なのに、なぜか心の奥にすっと届いてくるような安心感があって、
「この願いは、ちゃんと届いている」
そんな確かな感覚がありました。
やはり、伊勢神宮の外宮と深くつながるこの場所には、特別な“気”のようなものが満ちているのかもしれません。
ここに来られたこと自体が、ご縁だったんだなと感じさせてくれる——
そんな静かな力に包まれていました。
✍️ まとめ 〜 静けさの中に、力強さを感じる場所 〜

豊受大神社の境内には、言葉では表しきれない静かな力が満ちていて、
どこを切り取っても、“祈り”というものの本質を感じさせてくれました。
「日々を支えてくれているものに、あらためて感謝したい」
そんな気持ちを持ったとき、この神社はきっとやさしく迎えてくれると思います。
神社に関する体験談や、「こんなこと感じたよ」というお話があれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね。
次回は、神秘の旅のつづき。
いよいよ【天岩戸神社 編】へと進んでいきます⛩️
🚗 アクセス情報
【所在地】京都府福知山市大江町天田内60
【最寄駅】京都丹後鉄道「大江駅」または「丹後大宮駅」からタクシーで約15分
【駐車場】神社前に駐車スペースあり(無料)
【参拝時間】終日開放(社務所対応は日中のみ)


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